ヨークシャーテリアの毛色の種類と成長による変化

  • 2021月08月05日更新
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「ヨーキー」の愛称で親しまれ、美しい毛並みと表情豊かな瞳で人々を魅了するヨークシャー・テリア。気品あふれる容姿と明るく元気な性格は、世界中で愛されています。

「動く宝石」と言われるヨークシャー・テリアの毛色はどんな色があるのでしょうか?ヨークシャー・テリアの公認カラーの詳細や毛色の変化についてをご紹介します。

ヨークシャー・テリアの毛色4種類をご紹介

犬の被毛は「アンダーコート」と「オーバーコート」の二重構造になっていますが、ヨークシャー・テリアの被毛は「オーバーコート」と呼ばれる上毛のみの「シングルコート」です。

公認の毛色は、一般社団法人ジャパンケンネルクラブ(JKC)によって、スタンダードをたもち、先天的異常を持つ個体が生まれるリスクを減らすことなどを目的に、犬種ごとに基準が細かく決められています。

現在「公式に認められているヨークシャー・テリアの毛色は1種類」です。ダーク・スチール・ブルー(シルバー・ブルーではない)のみとされています。

さらに細かい規定には、頭部や胸部は光沢のあるタンであること、肩甲骨のあたりから尻尾の付け根あたりまではダーク・スチール・ブルーであること、ダーク・スチール・ブルーの中に黒に近い色や茶色、ブロンズなどの色が混ざってないこと、毛先に行くほど明るい色になること、などが決められておりそれ以外は認められていない毛色となります。

ヨークシャー・テリアの公認カラーを、成長ごとにご紹介します。

ブラック&タン

生まれたころのヨークシャー・テリアは、ほとんどが「ブラック&タン」です。体全体がほぼブラックで、眉毛や口周り、手足の先、胸元に「タン」と呼ばれる褐色が混ざっています。

ブラック&タンが基本になり、成長するにつれ少しずつ変化していきます。

ブラック&ゴールド

「ブラック&ゴールド」はブラック&タンの黒い部分はそのまま残り、タンの部分の褐色が徐々に薄くなっていき、光沢のある美しいゴールドに変化した状態のことをいいます。

ブルー&タン

成犬になると「ブルー&タン」の毛色に落ち着くヨークシャー・テリアが多いです。ブルー&タンの「ブルー」とは、わずかに青みがかった黒色や青みがかったシルバーのことです。

さらに細かくなると、明るめのブルーであれば「ライト・スチール・ブルー」となり、そこにタンが混ざると「スチール&タン」と呼びます。暗めのブルーであれば「ダーク・スチール・ブルー」となり、そこにタンが混ざることで「ダーク&タン」と呼びます。

同じブルーでも明るかったり濃かったりすることで、全体の印象が変わります。「動く宝石」と呼ばれているのは、主にこの毛色のことを指しています。

ブルー&ゴールド

「ブルー&ゴールド」は、上記のブルー&タンのタンの部分が徐々に明るくなりゴールドに変化した状態のことをいいます。
ツヤのあるブルーと光かがやく美しいゴールドの毛色は、鮮やかで気品あふれるカラーです。

ブルー&タンと同様で、明るめのブルー「ライト・スチール・ブルー」であれば「スチール&ゴールド」と呼び、暗めのブルー「ダーク・スチール・ブルー」であれば「ダーク&ゴールド」と呼びます。

ヨークシャーテリアの知っておきたい毛色に関する豆知識

ヨークシャー・テリアは公認の毛色が1種類となっていますが、成長過程でさまざまな色が存在しています。

犬は犬種によって、毛色の名前や毛色による性格の差、毛色の変化に違いがあります。

魅力あふれるヨークシャー・テリアの毛色に関する豆知識をご紹介します。

ヨークシャー・テリアの毛色の変化

「ヨークシャー・テリアの七変化」という言葉があり、生涯7回色が変わると言われています。

公式に認められているのは「スチールブルー&タン」と呼ばれる色のみですが、生まれたときのヨークシャーテリアは、ほとんどが「ブラック&タン」です。

生後3~4ヶ月くらいから色が変わりはじめ、成犬になる頃から被毛が伸びてきます。成長過程で、ブラックはブラックのまま、またはブルーやシルバーになり、タンと呼ばれる褐色部分はゴールドに変化していきます。

ヨークシャー・テリアの毛色はハッキリと色が分かれるというより、グラデーションの差が出て、犬によってさまざまな毛色になります。

ヨークシャー・テリアの毛色は、毛先の色は明るく根元が暗い色になっています。そのため毛の長さの影響を受け、カットをする位置やリボンを結ぶことで雰囲気がガラリと変わります。

毛色はどうやって決まる?

犬の毛色は全て、数種類の遺伝子の影響によって決定されます。

ベースの色だけでも、白、黒、茶色のさまざまなバリエーションがあります。白から黒にかけての幅広いモノトーンのバリエーションやその色の濃さ、さらにその上に乗ってくる白い毛の遺伝子、黒い毛の遺伝子、茶色の毛の遺伝子、なにも色をつけないということも全て遺伝子によって決まります。

ここからさらにグラデーションをつける遺伝子が追加され、眉の部分だけ白くなったり、胸の部分が白くなったり茶色くなったりもします。柄や模様をつけたり、ベースの色が退色し変化していくような遺伝子もあります。

ところどころに色の濃い毛や薄い毛が入る「差し毛」と呼ばれるものなどが加わり、犬全体の毛色を作り出しています。

毛色による性格の違い

毛色によって性格に影響が出る犬種も存在します。ヨークシャー・テリアの場合、基本的には公認カラーが1色ですので毛色と性格の関連性は低いです。

ヨークシャー・テリアと赤いリボン

ヨークシャー・テリアの頭頂部につけられたリボンは、豪華さや愛らしさが引き立ち、ヨークシャー・テリアのイメージそのものとして定着しています。

可愛さを表現するためのリボンだと思ってる人も多いかもしれませんが、ヨークシャー・テリアは顔周りの毛が長いため、眼にかからないようにする目的もあります。

日本だけでなく世界でおこなわれるコンテストやドッグショーでは、ヨークシャー・テリアに「赤いリボン」を付ける風潮が今も根づよく残っています。審査のルールに関係性はなく、ピンクでも青でも黒でも良いのですが、圧倒的に赤いリボンが多いです。
ヨークシャー・テリアの色に詳しいブリーダーたちが、いろいろと試行錯誤した結果、ヨークシャー・テリアの被毛に1番似合う色として、今も赤いリボンがつけられているのでしょう。

ヨークシャー・テリアの毛色の変化とともに思い出を作ろう

毛色の変化が多いことの良い点は、そのときのヨークシャー・テリアのカラーと自分との日々を重ねやすいことです。

色の変化や成長して行く過程を写真に収めて「当時のことを鮮明に思いだす」「振り返ることが楽しい」と言う飼い主さんも多く、過ぎ去った日々も楽しませてくれるヨークシャー・テリア。

一般社団法人ジャパンケンネルクラブ(JKC)で認められているヨークシャー・テリアのカラーはとても細かく定められ、たった1種類のみです。
1種類と言う表現はカラーが少ないと感じますが、シルキーで艶やかな毛色の変化を楽しむことができるのは、ヨークシャー・テリア最大の魅力です。