フレンチブルドッグが気をつけたい病気・怪我まとめ!いびきをかいて寝るのは病気?

  • 2015月10月21日更新
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フレンチ・ブルドッグを迎える前には、かかりやすい病気や起こしやすい怪我のことを知っておきたいのではないでしょうか。フレンチ・ブルドッグの体格的な特徴が病気を引き起こすリスクを高くしています。

この記事ではフレンチ・ブルドッグの病気や怪我を詳しく解説していますので、記事を読んで家族の一員である愛犬の健康を守ってあげましょう。

いびきをかいて寝るのは病気の兆候?

フレンチ・ブルドッグは、いびきをかくといったことをよく耳にします。いびきをかきやすい犬種ではありますが、呼吸系の病気も患いやすいので、フレンチ・ブルドッグのいびきには注意が必要です。

フレンチ・ブルドッグはいびきをかきやすい

いびきの発生するメカニズムは人間と一緒で、何らかの原因で気道が狭まったり塞がってしまい、そこを勢いよく空気が通ることでいびきとなります。

フレンチ・ブルドッグは短頭種(たんとうしゅ)といって、一般的な犬種に比べて鼻先が短い構造をしています。フレンチ・ブルドッグの他、パグ、シーズー、ペキニーズ、狆、ボストンテリアなども短頭種です。

この短頭種のわんちゃんたちは、鼻先だけではなく、口の中の気道も短くなっています。そのため、もともといびきをかきやすい構造になっているので、病気とは関係なくいびきをかいている場合も多く見られます。

また、余談ですが短頭種であるフレンチブルドッグは、他の犬種に比べて嗅覚が劣るとも言われています。これは頭の丸みにそって脳も丸みをおびており、その近くにある臭いを感じ取る器官が下方にずれ込んでいるからと言われています。

いびきは短頭種気道症候群の可能性も

フレンチ・ブルドッグをはじめとする短頭種がなりやすい気道の病気をまとめて「短頭種気道症候群」と呼びます。短頭種気道症候には、狭窄性外鼻孔、軟口蓋過長症、喉頭室外反、気管低形成などがあります。

短頭種気道症候群の病気にかかっている場合、症状がいびきとして現れる可能性もあります。

もし、いびきがいつもと違っていたり、普段の呼吸がしにくそうなどの症状が出ている場合にはすぐに獣医師に診てもらいましょう

鼻腔狭窄症

つぶれたような鼻がフレンチ・ブルドッグのチャームポイントですが、そのチャームポイントが災いして鼻腔狭窄症を発症するリスクを高めています。

フレンチ・ブルドッグの鼻の穴は思った以上に狭いので、呼吸が苦しくなります。少しの運動でも息が上がる、大きないびきをかくなどが気になる時は鼻腔狭窄症を疑いましょう。

鼻腔狭窄症の予防法

鼻腔狭窄症は先天性の病気なので予防することは難しいです。重度になった鼻腔狭窄症の治療は手術が必要になります。

軽度の症状の場合は、呼吸がしやすい状況をつくってあげることが最善の方法になります。過度な運動は避ける、暑い場所は避けるなどして呼吸を安定させてあげましょう

軟口蓋過長症

軟口蓋過長症は短頭種に多い病気で呼吸がしづらくなります。のどの奥にある軟口蓋という場所が長く分厚くなり、空気が通りにくくなるのです。

また、のどが狭くなっているので食事がのどに詰まったり吐き出したりします。いつも息苦しい状態が続きますし、熱中症にもかかりやすくなります。

軟口蓋過長症の予防法

軟口蓋過長症は生まれつきのことが多く、発症を予防することは困難です。発症した場合に重症化しないように注意することが飼い主にできることになります。

呼吸がしづらいので運動量を少なくすることです。暑い夏は熱中症にならないように注意しましょう。フードテーブルで喉をまっすぐにして食事させるのも有効な方法です。

水頭症

水頭症は脳脊髄液が過剰に増えることで脳を圧迫して起こる病気です。一般的には1歳以下の小型犬に多く発症するとされフレンチ・ブルドッグにも多い病気です。

横に大きな頭、斜視、足の麻痺などの症状が起こります。また、脳の障害なので二次障害として意識障害や行動障害、運動障害など重度の症状が起こることもあります。

水頭症の予防法

水頭症は先天性の病気です。生まれ持って発症するため現在では予防する方法はありません。

フレンチ・ブルドッグでは生後6か月までの発症が多いとされていますので、子犬を迎える際には、広すぎる頭や斜視、歩き方に不自然さがないか、怒りっぽいかなど確認するといいでしょう。

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼は後ろ足の膝の関節が脱臼する病気です。室内で飼われているフレンチ・ブルドッグはソファーやベッドなど高いところから飛び降りて遊ぶことが多いです。そんな時に滑ったり転んだりして発症することがあります。一度発症すると癖になることがあるので注意しなけらばならない病気です。

膝蓋骨脱臼の予防法

先天的な原因の場合は予防は難しいのですが、後天的な原因で発症する場合は予防することができます。

膝に負担がかからないように体重の管理を行ったり散歩などの運動で足の筋肉を鍛えることです。また、床にマットやカーペットを敷くなどして、室内の環境を膝に負担がかからないようにしてあげることでも効果的に予防ができます。

熱中症

熱中症は人間と同じ原因で発症します。特にフレンチ・ブルドッグのような短頭種はもともと呼吸がしづらい犬種です。

暑い夏では体温を下げるための呼吸がスムーズに行えず体内に熱がこもりやすくなります。熱中症は命に係わる恐ろしい病気です。また別の病気を誘発するリスクも高まります。

熱中症の予防法

熱中症の予防は人間の予防法と同じなので分かりやすいでしょう。暑い日には涼しい場所や日陰に入ることです。また、水分も十分にとることが有効な予防になります。

フレンチ・ブルドッグで気を付けなければならないのは散歩です。体が小さいので人間以上にアスファルトやコンクリートの熱から影響を受けます。

肥満細胞腫

肥満細胞腫は皮膚にできる腫瘍で、フレンチ・ブルドッグにできやすい皮膚病です。腫瘍には良性と悪性がありますが、フレンチ・ブルドッグの場合は他の犬種に比べて悪性になる確率が高くなります。

体が毛で覆われているので発見しづらいですが、悪性の場合に放置すると危険なこともありますので早期の治療が必要な病気です。

肥満細胞腫の予防法

肥満細胞腫は発症の前に予防する有効な方法が見つかっていません。早期発見で良性か悪性化の判断をすることと、悪性の場合にはなるべく早い治療が最善の方法です。

普段からスキンシップを心がけて、体にはれやしこりがないかを確認することが大切になります。

チェリーアイ

チェリーアイは犬にだけある瞬膜という瞼が腫れる病気です。チェリーアイ自体は重症化することもなく危険な病気とは言えませんが、結膜炎や角膜炎を誘発するリスクが高くなります。

また、飼い主からすれば赤く腫れた目は痛々しくて見ていられない病気です。

チェリーアイの予防法

チェリーアイは遺伝によることもあり、その場合は予防のしようがありません。後天的な場合は目の炎症や怪我などで起こることがあります。常に目の周りを拭いて清潔にすることが予防につながります。

目を怪我したり異物が入ったりしないように、散歩のときには茂みなどに頭を突っ込まないように注意してあげましょう。

脳腫瘍

脳腫瘍はフレンチ・ブルドッグなど短頭種に発症しやすい病気で、特に高齢の犬に多く発症すると言われています。

首を傾けて歩く、旋回運動をするなどの運動機能に異常が出る場合は脳腫瘍を疑ってみましょう。急に怒りっぽくなったり、性格が変わることもあります。

脳腫瘍の予防法

脳腫瘍は遺伝子異常で発症すると言われていますが、詳しいこと原因は分かっていません。そのため有効な予防法もないのが現状です。

今のところは、早期に発見して治療することが最善の方法といえます。普段から行動をよく観察して、少しでも変だなと思ったら病院を受診してください。

愛犬の健康は飼い主の願い

フレンチ・ブルドッグがかかりやすい病気や怪我をご紹介しました。先天的な病気では予防が難しいこともありますが、症状を把握して早期発見すれば健康で長生きすることもできます。

愛犬は家族といっしょ、愛犬の健康は飼い主の願いです。かかりやすい病気を理解して万全を期して上げましょう。