吠える、噛む、飛びつくなどの困った癖があっても、子犬のうちなら直すのにそれ程の手間はかかりません。いずれのトラブルも飼い主の態度に原因があると考え、愛犬への日ごろの接し方を改めることが一番です。訓練のときだけではなく、食事やお散歩、遊びなどを通じて「スワレ」「マテ」などの指示に従わせ、飼い主さんがリーダーであることを理解させましょう。
吠え癖の対処法
無駄吠えをするパピヨンは、たとえばインターホンや車などの物音に警戒していたり、散歩や食事を要求していたり、他人や他の動物を怖がっていたりと、何らかの理由があるはずです。いずれの場合も、ひたすら無視するように努めましょう。叱ったり、なだめたり、飼い主さんが何らかの反応を見せてしまうのは、犬を興奮させてしまうだけで問題の解決にはなりません。ましてや犬にとっては要求を受け入れてもらえた、と思いますます状況をひどくさせてしまいます。子犬が諦めて鳴きやむまで辛抱し、大人しくなったら「スワレ」「マテ」などで服従させて十分に褒めてあげましょう。
噛み癖の対処法
ものを噛むのは犬の習性であり、むやみに叱るべきではありません。犬を叱る前に、噛まれて困るものを犬の届くところに置かない配慮が必要です。噛んでいる現場を見つけたら、噛んでも良いおもちゃなどで気をそらして、与えるようにします。噛んでもよいものには犬のにおいをつけ、噛んではいけないものには犬が嫌がるにおいのスプレーを吹きかけると良いでしょう。
飛びつき癖の対処法
飛びつき行為は「会えて嬉しい」という喜びの表現ですが、飛びつかれた相手が犬好きであるとは限りません。他人の迷惑になってしまうことがあるので注意が必要です。飛びつきをやめさせるには、とにかく無視すること。相手になっていると、飛びつくとかまってもらえる、と思ってしまうからです。徹底的に無視を続け、大人しくなったら「スワレ」「マテ」などで服従させて十分に褒めてあげましょう。
トイレを失敗したときの対処法
トイレ以外の場所で排泄してしまった場合でも、その現場を見ていない限り、決して叱ってはいけません。時間が経ってから叱ると、子犬は排泄自体がいけないものと勘違いし、隠れて排泄をしたり、我慢するようになります。また、何に対して叱られているか分からず、飼い主さんに不信感を抱いてしまうこともあります。子犬がトイレを失敗している現場を見かけたときだけ、「ダメ!」と叱ることができます。逆に、きちんとトイレで排泄できている現場を見かけたら思いっきり褒めてあげましょう。
【監修】村田祐子
1984年、ヨーロッパで気品に満ちあふれたエレガントなパピヨンに出会い、魅せられ、共に過ごす。 世界的トップブリーダーであるスウェーデン のミセスS,ロースと、英国のジャッジでもあるミセスK,スチュアートから指導を受けながら、ブリーディングを始め現在に至る。パビヨン発展へ の尽力から、1999年、JKC50周年記念繁殖功労賞を受賞。その他、JKC Breeding Award 2007 3部門受賞をはじめ、Outstanding Breeder(優良作出ブリーダー)、Outstanding Sire(優良作出種牡)Outstanding Dam(優良犬作出台牝)、JKC Breeding Award 2008、Outstanding Breeder(優良作出ブリーダー)など多数受賞。