豊かで柔らかくフワフワな被毛につぶらな瞳がチャーミングのポメラニアン。たてがみのような首回りのカラー(ラフ)や、背中のほうにまで堂々とかかげるシッポが大きな特徴です。
ポメラニアンの祖先はサモエドやジャーマン・スピッツと言われており、最初はホワイトとブラックのみでした。今はいろいろな毛色をみかけますが、ポメラニアンはどんな毛色があるのでしょうか?
今回はポメラニアンの毛色の種類と人気カラーやレアカラーをご紹介します。
ポメラニアンの毛色13種類をご紹介
ポメラニアンの被毛は「オーバーコート」と呼ばれる上毛と「アンダーコート」と呼ばれる下毛の二重構造の「ダブルコート」です。上毛は下毛の色より濃い色しています。
ポメラニアンのようにダブルコートを持つ犬種は、秋から冬にアンダーコートが抜けて季節に適したコートに生えかわります。
公認の毛色は、一般社団法人ジャパンケンネルクラブ(JKC)によって、スタンダードをたもち、先天的異常を持つ個体が生まれるリスクを減らすことなどを目的に、犬種ごとに基準が細かく決められています。
現在「公式に認められているポメラニアンの毛色は10種類以上」あります。ホワイト、ブラック、ブラウン、オレンジ、グレーの色調、クリーム、クリーム・セーブル、オレンジ・セーブル、ブラック・アンド・タン、パーティカラーなど、とされています。
この記事では、ポメラニアンの公認、非公認ともに人気のある毛色やレアカラーを13種類ご紹介します。
ブラック (黒色)
シャープでクールな印象のブラック。
見かけることが少ないのですが、ヨーロッパでは主流のカラーです。「クロポメ」と呼ばれ日本でも人気が高まっています。
ホワイト(白色)
ホワイトは昔からある毛色です。
真っ白な毛色は、祖先であるサモエドやスピッツの色であるため、ポメラニアンにとても似合う毛色です。
クリーム
白に薄めの黄色を混ぜたような色で、カスタードクリームのようなカラーです。
オレンジ
オレンジはポメラニアンに一番多いカラーで、濃い赤黄色~淡い褐色まで、色の幅が広いのがオレンジの特徴です。ポメラニアンを代表する毛色です。
レッド(赤色)
レッドはオレンジよりも赤みが強く、明るくエレガントな印象を与えてくれる毛色です。ヴィクトリア女王が愛したポメラニアンの色としても有名です。
ブラウン(茶色)
ブラウンはブラックとチョコレートの中間色です。茶色1色の被毛でおおわれているブラウンは、小熊のぬいぐるみのような姿が人気です。
ブラック・タン
ブラック・タンはブラックのベースに、タンと呼ばれる褐色が入った2色の毛色です。顔や胸、手や足などにタンが混ざります。
柴犬やチワワなどで見かける配色ですが、ポメラニアンにタンがでることは珍しく、最近は人気も出てきました。
チョコレート※レアカラー
チョコレートはブラウンより薄めの色です。人気のある毛色ですが、ポメラニアン専門のブリーダーさんでも繁殖が難しいと言います。
ショップで見かけることが少ないレアカラーです。
オレンジ・セーブル
オレンジ・セーブルは、定番のオレンジ色にタンと呼ばれる褐色が混ざった毛色です。
アンダーコートが濃いタン、オーバーコートは濃いオレンジ。毛先が黒く、表面に虎毛のような模様ができるのが特徴です。
ウルフ・セーブル
ウルフ・セーブルの毛色はタヌキっぽい見た目ではありますが、ウルフと名前がついている通り、狼のような色合いです。身近なところではシェパードもウルフ・セーブルが多い犬種です。
キリリとした見た目のワイルドさと、甘えん坊な性格とのギャップが良いと人気です。
パーティーカラー
パーティーカラーとは、ホワイトの毛色にレッド、ブラック、タンなどの斑な毛色が、1~2色混ざった毛色のことを言います。
公認されているパーティーカラーは、ベースの毛が必ずホワイトであることが決められています。
ブルー※レアカラー
ブルーは、青みのあるグレー色になります。ブラックほど強くなく、ブラウンやチョコレートのような赤みを持たないカラーです。
イザベラ※レアカラー
イザベラは、オレンジ色とクリーム色を混ぜ合わせたような毛色です。やわらかな色合いが魅力です。繁殖が難しいため、希少価値が高い毛色です。
ブルーマール※レアカラー※非公認
マール遺伝子からなる大理石柄の毛色です。とても神秘的な毛色で、ブルーや透き通った眼を持っている個体もあり魅力的です。
レアカラーで希少ですが、色素異常の遺伝子を持っているため非公認カラーに成っています。遺伝的な病気を持っていることも多く、交配は禁止されています。
ポメラニアンの知っておきたい毛色に関する豆知識
ポメラニアンにはたくさんの毛色が存在しますが、色の違いによって性格が違うと言うことはあるのでしょうか? また、毛色はずっと同じ色なのでしょうか?
犬は犬種によって、毛色の名前や毛色による性格の差、毛色の変化に違いがあります。選ぶときの注意点やポメラニアンの毛色に関する豆知識をご紹介します。
ポメラニアンの毛色の変化
ポメラニアンは成長につれて毛色が変わる犬種です。選ぶときから理解しておきましょう。
もともとの毛色の種類が多い犬種なうえ色が変化していくため、同じカラーのまま成長するのはかなり稀です。
「色が気にいって飼い始めたのに」と思う人がいるかもしれませんが、ポメラニアンを飼うときは成長とともに色が変化することも一緒に楽しみましょう。
毛色はどうやって決まる?
犬の毛色は全て、数種類の遺伝子の影響によって決定されます。
ベースの色だけでも、白、黒、茶色のさまざまなバリエーションがあります。白から黒にかけての幅広いモノトーンのバリエーションやその色の濃さ、さらにその上に乗ってくる白い毛の遺伝子、黒い毛の遺伝子、茶色の毛の遺伝子、なにも色をつけないということも全て遺伝子によって決まります。
ここからさらにグラデーションをつける遺伝子が追加され、眉の部分だけ白くなったり、胸の部分が白くなったり茶色くなったりもします。柄や模様をつけたり、ベースの色が退色し変化していくような遺伝子もあります。
ところどころに色の濃い毛や薄い毛が入る「差し毛」と呼ばれるものなどが加わり、犬の全体の毛色を作り出しています。
毛色による性格の違い
毛色によって性格に影響が出る犬種も存在します。ポメラニアンの場合、毛色と性格の関連性は今のところよくわかっていません。
どんな毛色であっても、警戒心が強く、飼い主さんにはとても甘えん坊さんです。
非公認・レアカラーについて
ポメラニアンの場合は公認のカラーがとても多いので選択肢が広いのですが、非公認カラーは変わった毛色を望むために無理な繁殖をし、遺伝的な疾患がある場合もあります。
全ての個体が必ずしも発症するとは限りませんが、家族に迎え入れるときはその点も含めて考えましょう。
豊富な毛色の種類があるポメラニアン
カラーもカラーの組み合わせも多く、個性豊かなポメラニアン。どんな毛色でもフワフワで愛くるしいポメラニアンは、選択肢が多く選ぶことも楽しみのひとつですよね。
「タヌキ顔」「キツネ顔」と呼ばれる顔つきの違いも合わせると、さらに選択肢が増えるのもポメラニアンの魅力です。
変わっていくカラーを楽しみながら、出会ったポメラニアンとの縁を大切にして、信頼関係を築いてくださいね。