ヨーキーの子犬を迎える前に知っておきたいこと

  • 2015月07月12日更新
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ヨークシャーテリアは「ヨーキー」と呼ばれ、世界中で親しまれている犬種です。いつの時代でも、子供からご年配の方まで、幅広い層の人々に親しまれてきました。そんなヨーキーの魅力や、子犬を飼おうと思ったときに知っておきたいヨーキーの特徴についてまとめてみました。これから子犬をお迎えされる方はもちろん、すでにヨーキーを飼っている方も必見です!

ヨーキーの歴史

ヨーキーは名前に「テリア」とつくことから、テリアの血が入っていることは想像できると思います。そんなヨーキーが登場したのは1800年に入ってからです。小型のテリア種とマルチーズの掛け合わせによって誕生しました。原産地はその名のとおりイギリスのヨークシャー地方です。意外ですが当時はネズミ捕りとして活躍していました。そのため、ただのネズミ捕り用の犬、とお金持ちの愛犬家からは嫌煙されていました。しかしその後、ヨーキーの持つ被毛の美しさが注目を集め、たちまち愛玩犬(ペット用の犬)としての地位を築き上げました。ヨーキーの美しさは「動く宝石」とまで例えられるようになり、お金持ちの貴婦人がステータスとして連れ歩くようになりました。このようにヨーキーは歴史において大逆転を果たした犬種なのです。現在もその見た目の美しさから、世界中で多くの人々を魅了し続けているのです。

ヨーキーの見た目

「ヨーキーの大きさ」

ヨーキーは見た目の美しさに加え、サイズのコンパクトさも大きな魅力です。成犬時の体重は大きい子でも3kg前後です。産まれたての子犬はなんと100グラム前後しかありません。100グラムといえば、Mサイズの卵2つ分、中くらいのピーマン3個分くらいの重さです。大きさは20cm程度なので、小柄な女性の靴のサイズくらいです。

「ヨーキーの被毛と毛色」

ヨーキーといえば、まずその被毛の美しさに目がいくことと思います。ショータイプ、ペットタイプで見た目は異なりますが、いずれもシルクのような滑らかで美しい被毛を持っています。このような被毛をシルキーコートと呼びます。抜け毛は少ないですが毛が細いため、絡みやすいです。日々のブラッシングがかかせません。ヨーキーの独特な毛色は「スチールブルー&タン」と呼ばれます。子犬の頃はブラック&タンといった感じですが、これが成長するにつれ変化していきます。決してブラック&タンのままではないのです。その変化こそがヨーキーを飼う上での大きな楽しみとも言えます。光沢のあるシルバーのようなゴールドのような、その子独自にブレンドされたカラーに変化します。このカラーは兄弟でも異なるので、まさしく世界に1匹だけのあなただけのヨーキーを楽しむことができるのです。

「ヨーキーの断尾と断耳」

ヨーキーはネズミを捕る使役犬であった歴史から、現在もしっぽを切り落とす断尾をおこなうのが一般的です。断尾は子犬が産まれて間もない時期におこないます。その為ブリーダーさんの方針によってあらかじめ断尾されている子がほとんどです。同じ目的で、耳をカットする断耳もおこなわれます。しかし現在の家庭犬においては断耳をしない場合が多く、垂れ耳のヨーキーも見かけるようになりました。もししっぽの長さなどにこだわりがある場合は、あらかじめブリーダーさんに確認をしておくのがよいでしょう。

「ヨーキーのカット」


先ほどちらっと記述したとおり、ヨーキーはショータイプ、ペットタイプによって見た目が大きく異なります。ショータイプのヨーキーは被毛を長く伸ばし、目の上の被毛を頭上で結びます。頭に赤いリボンをつけたヨーキーを見たことがあると思いますが、その子たちがショータイプです。ペットタイプのヨーキーは、長く伸びた被毛にハサミやバリカンを入れ、生活しやすいスタイルに仕上げています。頭の上だけ被毛を残したり、耳の前だけ伸ばしたりと、飼い主さんの好みで様々なアレンジをすることができます。ヨーキーは被毛が伸び続ける犬種なので、1~2ヶ月に1度はトリミングしてあげると良いでしょう。

ヨーキーの性格

ヨーキーは愛らしい見た目から、おしとやかそうなイメージがありますよね。しかしその名前のとおりテリアの血が入っているので、テリア独特の気質を持っているんです。頑固で我慢強く、エネルギッシュな一面を持ちます。しかしヨーキーはテリア種のなかでも、とても頭が良く空気が読めるので、飼いやすい犬種と言えるでしょう。また、とても甘えん坊で飼い主さんが大好きです。そのためしっかりとかまってあげる時間を設ける必要があります。長時間のお留守番には向きません。表情が豊かなので、楽しくコミュニケーションをとることができるでしょう。ただし、可愛いからと言って甘やかしすぎは厳禁です。常に飼い主さんが主導権を握って接するように心がけましょう。

ヨーキーの飼い方

「ヨーキーの飼育環境」

ヨーキーの飼育には室内を選びましょう。ヨーキーは急激な気温の変化に弱い犬種です。ほとんどの犬種は1つの毛穴から約3本~5本程度の被毛が生えますが、ヨーキーは1つの毛穴に対して1本の被毛しか生えていません。そのため被毛の密度が低いのです。特に寒さには弱いと言われています。冬場のお散歩には、コート等を一枚はおらせてあげると良いでしょう。運動量はあまり多くないので、室内の運動だけでも十分です。ただし、気晴らしを目的としたお散歩は必要です。長距離を歩かせるよりは、外の空気に触れさせ、人間社会になじませてあげることが目的です。

「ヨーキーのしつけトレーニング」

ヨーキーはとても頭が良くお利口な犬種なので、しつけやトレーニングにはさほど苦労することはないでしょう。気をつけるのは、甘やかしすぎてわがままな子に育てないことです。飼い主さんが頑固者なテリアの気質をコントロールしてあげることで、友好的で従順なヨーキーに育てることができます。それが無駄吠えの防止にも繋がるのです。愛犬のヨーキーに主人として認めてもらえるよう、日々の接し方には気をつけましょう。

「ヨーキーのお手入れ」


ヨーキーの象徴でもある美しい被毛を保つためにも、毎日ブラッシングをおこなうようにしましょう。また、ヨーキーは「小さく小さく…」と作り出された犬種ですので、歯が弱い子が多いです。口の中の健康を維持するためにも、歯みがきをしてあげましょう。歯みがきは毎食後おこなうのが理想です。嫌がる場合は、ガーゼなどで歯や歯茎をやさしくこすったり、歯みがき効果のあるおやつを与えてみるのもよいでしょう。常に新鮮なお水をあげることも大切です。トリミングは1~2ヶ月に1度程度が理想ですが、ヨーキーは爪が伸びやすい犬種なので、こまめに爪を確認して、伸びていたら切ってあげましょう。
歯みがきや爪きりは、子犬の頃から日常的におこなうことで、抵抗なく体を預けてくれるようになります。また、何事も少しずつ段階を踏んで慣らしてあげることが必要です。「初めて手をつかまれたと思ったら、パチンという音と同時に爪に衝撃が走った!」これではトラウマを植えつけるだけです。ヨーキーは日常のお手入れが不可欠な犬種です。だからこそお手入れが愛犬のストレスにならないように、子犬の頃から慣らしてあげましょう。

ヨーキーの子犬の選び方

良い子犬は、とても澄んだ瞳でじっとこちらを見つめてきます。また、ヨーキーの子犬はとても好奇心が旺盛で活発です。おもちゃを見るとすぐに寄ってくるような子犬が良いでしょう。こちらの様子を伺いつつも、怯えていたりおとなしすぎる子は、しつけなどの際に苦労する可能性があります。なるべくヨーキーらしく明るい子犬を選ぶと良いでしょう。また、遺伝的な病気の発症リスクや、両親の性格・大きさなどを聞いておきましょう。毛色の変化などもイメージしやすくなるので、実際に子犬とあわせて見学できるとベストです。

ヨーキーが気をつけたい病気

「膝蓋骨(しつがいこつ)脱臼」

膝蓋骨脱臼は、足の細いヨーキーがよくかかる病気です。膝蓋骨とは膝のお皿のことで、この部分が脱臼してしまう病気です。原因には先天性と後天性とがあり、先天性は年齢と共に進行します。

<症状>
・足を引きずり、スキップするように歩く。
・膝が腫れあがる。
・立ち上がるが一苦労。

<予防するには>
ヨーキーは優雅な見かけとは反して、とても活発でエネルギッシュな犬種です。そんなヨーキーにとって、家の中は危険がひそんでいます。膝に負担がかかるため、滑りやすいフローリングには、マットなどを敷きましょう。肥満にならないように気を付けることも重要です。高所から飛び降りも避けましょう。また、きれいな長い被毛が自慢のヨーキーですが、足の裏の毛が原因で床を滑るということもありますので、足の裏の毛が長く伸びている場合はちゃんとカットすることも必要です。

「気管虚脱」

気管虚脱は気管コラプスとも呼ばれ、気管にあるU字の膜がゆるんだり、引っ張られたりする病気です。ヨーキーが気管虚脱になると、呼吸がしづらくなるので「ハッハッ」という犬特有の激しい呼吸ができなくなってしまいます。この呼吸はワンちゃんにとって熱を下げるというとても重要な役割をしており、それができないことで体温調節ができなくなってしまうのです。息苦しいし暑苦しい…とてもかわいそうな状態です。

<症状>
・呼吸が苦しい
・よだれが止まらない
・失神

<予防するには>
遺伝的に発症しやすい場合や、老化による筋力の低下が原因の場合もあります。そのため、予防は難しいとされています。ただし、肥満による発症は防ぐことができます。日々の生活習慣には気をつけ、肥満を防ぎましょう。

「水頭症」

頭の中にある液体が増えすぎることで、脳が圧迫される病気です。ヨーキーなど小型犬によくみられます。先天的にかかえているケースが多いですが、ケガや脳腫瘍などが原因になることもあります。投薬や手術でも、完治は難しいようです。

<症状>
・四肢が麻痺する
・視力が低下する
・何事にも関心がなくなる、または攻撃的になる
脳のどこを圧迫されるかによって症状は異なります。

<予防するには>
予防するのは難しいとされています。特に先天性の場合は困難です。後天性の場合は、外傷予防のため、頭をぶつけにくい家具の配置をすることが大切です。

「尿路結石症」

おしっこの病気です。おしっこに含まれる成分の中で、石を作る成分が異常多いことで発症します。子犬よりは、成犬~高齢犬によく見られる病気です。

<症状>
・おしっこするときに痛がる
・血尿
・頻尿
・尿がでなくなる

<予防するには>
いつでも新鮮なお水を飲めるようにしておき、我慢させずにおしっこしやすい環境をつくってあげましょう。

「肛門嚢(こうもんのう)炎」

肛門嚢とは、肛門の周りにある分泌液の入った袋のことで、2箇所存在します。本来ですとウンチをする際など、肛門の筋肉が締まった時に自然と外へ排出されます。しかしこの排出がうまくできずにどんどん溜まってしまい、肛門嚢が破裂する病気です。
特に大人しい子は、興奮しにくく肛門の筋肉が締まる機会が少ない傾向にあるので分泌液がたまりやすいと言われています。

<症状>
・肛門周りがひどく汚れている
・肛門周りから臭いニオイがする

<予防するには>
肛門嚢をしぼることが必要です。トリミングの際、シャンプーの前にトリマーさんが絞ってくれているはずです。オプションなどの場合もあるので、トリマーさんに確認してみるとよいでしょう。肛門を地面にこすりつけたり、肛門付近を何度も舐めていたら要注意です。トリマーさんまたは獣医さんに相談すると良いでしょう。

いかがでしたか?今回はヨーキーについて学んできましたが、ヨーキーの子犬がいる生活を思い浮かべることはできましたでしょうか?ヨーキーはコンパクトでなので、色んなところにつれて歩きたいですね!宝石のような美しさから、街中の人をとりこにすることでしょう。また、甘え上手で可愛らしく、ついついおやつを与えすぎてしまうかも!?生活習慣病を予防するためにも、肥満にしないように注意しましょう。華奢なのでケガにも気をつけたいところです。ぜひあなたもヨーキーとの楽しくて素敵な日々を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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